●広域計画策定にあたり
諏訪圏域は、長野県のほぼ中央に位置し、古来から山紫水明とうたわれ、諏訪湖周辺に展開する岡谷市、諏訪市、下諏訪町と、雄大な八ヶ岳山麓に展開する茅野市、富士見町、原村の3市2町1村で構成され、恵まれた自然環境や歴史的背景から一体的に発展してきた圏域です。
近年、圏域を取り巻く情勢は大きく変化しており、行政に対する課題は、少子高齢社会、情報化、国際化などの進展や環境問題など、市町村の枠を越え、より高度で広域的なものとなっています。
こうしたなかで、平成12年7月に諏訪広域行政組合の事務を引き継いで諏訪広域連合が発足し、翌平成13年3月に6ヵ年の広域計画を策定しました。
広域連合発足後、平成12年10月にはふるさと市町村圏に選定され、平成13年度からはふるさと市町村圏基金を活かした各種事業を展開、平成14年3月には諏訪地域ふるさと市町村圏計画を策定し、平成15年4月からは広域連合が保険者となって介護保険事業を運営するなど、広域連合の事業内容も変化してまいりました。
また、この6年の間には圏域市町村の合併協議も行われましたが、結果としていずれの市町村も合併を選択せず自立の道を歩むという選択をしたことも、今後の諏訪圏域の方向性にとって大きな転機となりました。
広域計画は、関係市町村や住民に対して、広域連合が掲げる事務処理の方針や目標を示し、広域連合や関係市町村が事務処理を行っていくための指針となるものです。
本計画は、地方自治法第291条の7の規定に基づき、広域連合規約第5条に規定されている15項目について、関係市町村の施策や諏訪地域ふるさと市町村圏計画と調和を保つと同時に、広域計画策定委員会を設置して圏域住民の意見を反映し、経緯、現状と課題及び今後の方針と施策を明記した、広域化の有効性と実効性の高い広域計画を策定しました。
この計画に基づき、諏訪圏域の広域的な連携を積極的に推進していきます。
1 ふるさと市町村圏計画の基本方針に関すること
●経 緯
諏訪圏域は、昭和47年9月に広域市町村圏に指定されて以来、圏域の総合的な振興を目的とした計画を策定し、計画に示された内容に沿って事業の展開が図られ、今日に至っています。
| ・諏訪地域広域市町村圏計画 |
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昭和48年3月策定 |
基本構想 |
計画期間:昭和48〜昭和60年度 |
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基本計画 |
計画期間:昭和48〜昭和55年度 |
| ・諏訪地域新広域市町村圏計画 |
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昭和57年3月策定 |
基本構想 |
計画期間:昭和57〜平成3年度 |
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前期基本計画 |
計画期間:昭和57〜昭和61年度 |
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後期基本計画 |
計画期間:昭和62〜平成3年度 |
| ・諏訪地域広域行政圏計画 |
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平成4年3月策定 |
基本構想 |
計画期間:平成4〜平成13年度 |
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前期基本計画 |
計画期間:平成4〜平成8年度 |
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後期基本計画 |
計画期間:平成9〜平成13年度 |
| ・諏訪地域ふるさと市町村圏計画 |
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平成14年3月策定 |
基本構想 |
計画期間:平成14〜平成23年度 |
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前期基本計画 |
計画期間:平成14〜平成18年度 |
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後期基本計画 |
計画期間:平成19〜平成23年度 |
●現状と課題
諏訪地域ふるさと市町村圏計画は、前期基本計画の期間が平成18年度で満了となるため、新たに平成19年度から平成23年度の後期基本計画を策定する必要があります。
●今後の方針と施策
[計画策定の基本方針]
諏訪圏域が、平成12年度に自治省の「ふるさと市町村圏推進要綱」による「ふるさと市町村圏」に選定されたことにより、同要綱に基づき「ふるさと市町村圏計画」を策定します。
ふるさと市町村圏計画は、圏域の総合的、一体的な振興整備の指針としての役割をもつものであり、その策定にあたっては、国・県の計画、関係市町村の計画との整合、調整を図ります。
計画は、基本構想、基本計画、実施計画及び広域活動計画で構成します。
(1)基本構想
基本構想は、圏域の振興発展の将来図及びこれを達成するために必要な施策の大綱を示すものとします。
基本構想の期間は、平成14年度から10年間とし、構想期間満了前に見直しを図ります。
(2)基本計画
基本計画は、基本構想に基づき、圏域の総合的、一体的な整備のための施策の体系を定めるものとします。
基本計画は、前期及び後期とし、期間は、それぞれ5年間とします。
(3)実施計画
実施計画は、基本計画に掲げる事項を実現するため、事業の実施の具体的計画を定めるものとし、向こう3ヵ年度を期間とするローリング方式により作成するものとします。
(4)広域活動計画
広域活動計画は、ふるさと市町村圏基金の運用益を活用して実施しようとする各種ソフト事業の推進を図るために作成します。
広域活動計画は、基本方針、基金計画、個別の事業内容、実施主体、事業費、財源等について取りまとめた事業計画などからなるものとします。
事業計画などは、毎年度見直しを行います。
2 ふるさと市町村圏計画に基づく事業の実施に関連して広域連合及び関係市町村が行う事務に関すること
●経 緯
平成12年10月にふるさと市町村圏に選定されたことを受けて、平成14年3月に「諏訪地域ふるさと市町村圏計画」を策定し、「ひびきあい みらいへ諏訪の 輪はひとつ」をスローガンに掲げ、圏域の均衡ある発展のため、その実現に向けて積極的に取り組んでいます。
●現状と課題
諏訪地域ふるさと市町村圏計画の基本構想に沿って、広域的な地域づくりの推進、保健福祉の充実、自然・生活環境の保全や整備、交通体系の確立、産業の振興、生涯学習の推進などの事業を計画的に進めていますが、前期基本計画の計画期間が平成18年度に満了することから、年々増加・多様化する住民ニーズに対応した後期基本計画を策定し、引き続き計画的に事業を進める必要があります。
●今後の方針と施策
広域連合と関係市町村は、ふるさと市町村圏計画に基づき、圏域の一体的な発展のため、その果たす役割を適正に分担し、
連絡調整を密にし、連携強化を図りながら、共通的な課題に取り組み、地域産業、地域文化、観光などの資源を有効に活用し、圏域の活性化と交流を促進し、人と自然が調和した魅力ある地域づくりを計画的、効率的に推進します。
3 特別養護老人ホーム恋月荘の設置、管理及び運営に関すること
●経 緯
諏訪地域広域市町村圏事務組合の事業として昭和49年6月に100床で開設し、その後増改築により昭和54年に110床、昭和55年からは130床、短期3床の施設となりました。
平成12年7月には諏訪広域連合に移行され、平成15年には紅林荘へ50床移管して多床室解消工事を行い、現在は80床、短期10床の施設となっています。
●現状と課題
恋月荘は、圏域における基幹福祉施設として大きな役割を果たしてきており、高齢社会が進むなか、当施設の果たす役割はますます重要視されています。
こうしたなかで、改築に係る将来構想について「恋月荘改築推進委員会」を設けるなど検討を重ねた結果、建物の延命修繕計画を進めることになりました。また、介護保険法改正による介護報酬の見直しへの対応や安心・安全な施設運営のため、尚一層の業務改善が必要になっています。
●今後の方針と施策
恋月荘は、地域に根ざした介護老人福祉施設として、キャッチフレーズである「ゆたかなサービスで、その人らしい生活を
送れる施設」の実現をめざします。
このための施策として、建物の改修工事を行い、住環境の改善を図るとともに、調理業務については、平成19年度から民間委託するなど、引き続き健全な経営をめざします。
4 救護施設八ヶ岳寮の設置、管理及び運営に関すること
●経 緯
昭和43年1月に、6市町村が共同で福祉施設を建設し、運営しようとの意見統一が行われ、定員50名で生活保護法の適用を受ける「救護施設」の建設が決定されました。
この施設を運営するために、一部事務組合の諏訪郡市6市町村救護施設組合が、昭和44年5月に設立認可され、救護施設八ヶ岳寮が昭和45年4月に開設となりました。
施設利用者の定員は、昭和47年に100名、昭和51年には124名となりました。
平成10年3月に諏訪郡市6市町村救護施設組合を解散し、同年4月に諏訪広域行政組合に統合され、さらに平成12年7月、諏訪広域連合に移行しました。
平成14年12月には旧施設隣接地への全面改築により新施設が竣工し、現在134名(最大入所可能人数)の方が施設で生活しています。
●現状と課題
救護施設は、障害の種別を問わず保護を要する方を幅広く受け入れることができるセーフティーネットとしての役割と機能を備えた施設です。八ヶ岳寮においては全面改築がされ、快適な住環境が整備された一方、施設利用者の高齢化にともなう障害の複雑化・重度化が進んでいるのが現状ですが、個別支援計画
*の導入により、多様化した施設利用者ニーズへ対応しているところです。平成18年度から調理業務を民間委託することにより、夕食時間の変更など施設利用者サービスの向上を図り、健全な施設運営に努めています。
今後さらに進む施設利用者の高齢化にともなう障害の複雑化・重度化への対応として、介護技術の向上やそれらにともなうリスクマネージメント及び個別支援計画の確実な実施により、施設利用者が安全で安心できるサービスの提供が求められています。
●今後の方針と施策
今後さらに施設利用者の高齢化にともなう障害の複雑化・重度化が進むなかで、介護技術向上はもちろんのこと、利用者本位の質の高いサービスの向上を図るため個別支援計画を推進し、施設利用者が安全で安心できる施設生活を提供することに努めます。
このため職員研修の充実を図ることや、また限られた財源のなかで健全な経営を図るため、民間のノウハウを活用した民営化についても検討します。
5 病院群輪番制病院運営費補助事業に関すること
●経 緯
諏訪地域の休日及び夜間における入院治療を必要とする救急患者または緊急患者で重症なものの医療を確保するため、昭和55年度から、第二次救急緊急医療を病院群が共同連帯して輪番制により行うこととし、現在に至っています。
●現状と課題
病院群輪番制病院運営費補助事業については現在、市立岡谷病院、岡谷塩嶺病院、諏訪湖畔病院、諏訪赤十字病院、諏訪中央病院、富士見高原病院、諏訪共立病院の7病院で、輪番制により運営し、休日及び夜間、圏域内の地域的なバランスに配慮し常時2つの病院が救急医療体制を確保しています。
この事業に対しては、平成17年度から国庫補助の廃止・税源移譲により国・県からの補助金がなくなりました。
●今後の方針と施策
休日及び夜間における入院治療を必要とする救急患者または緊急患者で重症なものの医療を確保するために設けた第二次救急緊急医療体制が円滑に機能し、圏域住民が安心して救急医療を受けられるよう7病院との連携
により、医療体制の一層の充実を図ります。
国・県からの補助金は廃止されましたが、輪番制により事業を運営している病院に対して、事業実施の支援を引き続き実施します。
6 諏訪地区小児夜間急病センターの設置、管理及び運営に関すること
●経 緯
小児の救急医療は、小児科医の不足と二次救急病院に軽症の小児救急患者が集中し、病院小児科医師の過重労働や本来の二次救急業務への支障が生じるなど、全国的な問題となっています。
このことは諏訪医療圏においても例外ではなく、平成17年3月に開催された諏訪小児科談話会において、小児救急体制についての問題点が報告され、諏訪地区小児救急検討会により諏訪地区の小児救急対応について検討が行われ、この検討結果を基に、平成18年3月、岡谷市医師会、諏訪市医師会、諏訪郡医師会、諏訪地区小児救急検討会、諏訪地域病院長連合会の連名により、「諏訪地区小児夜間救急センター(仮称)設置の要望書」が広域連合へ提出されました。
広域連合では、この要望内容を協議した結果、小児夜間救急センターの設置は緊急の課題であるとして、同年4月、関係市町村職員で構成する、諏訪地区小児夜間救急センター設置検討委員会を設け、医師会とともに検討を重ねてきました。
●現状と課題
核家族化や共働き、夜間労働など子育て環境が変化してきていることを背景に、軽症を含む多くの小児患者が休日、夜間に病院小児科へ訪れるようになってきました。こうした小児外来の時間外病院集中は、救急患者の診療に影響を及ぼすとともに、病院勤務の小児科医師への負担が増大し、小児救急医療から医師が撤退する原因にもなっています。
諏訪医療圏では現在、病院群輪番制により二次救急医療体制を整え、小児救急医療を確保しておりますが、このような状況から、今後とも現行の体制を維持するためには、小児初期救急医療体制を整備する必要があります。
●今後の方針と施策
小児初期救急医療体制を整えるため、平成19年度に一次救急を担う諏訪地区小児夜間急病センターを設置します。これにより、二次救急病院との機能分担を確立し、さらに両者の連携を図ることにより、小児救急医療の提供・受診体制を確保します。
7 諏訪広域連合の基金の運用に関すること
●経 緯
諏訪広域連合は広域事業を推進する財源確保を図るため、各種基金を設置し、健全な財政運営に努めてきました。
●現状と課題
諏訪広域連合は、次の基金を設置しています。
・財政調整基金
・特別養護老人ホーム恋月荘減債基金
・特別養護老人ホーム恋月荘福祉施設整備基金
・特別養護老人ホーム恋月荘基金
・特別養護老人ホーム恋月荘福祉基金
・救護施設八ヶ岳寮退職手当準備積立基金
・救護施設八ヶ岳寮基金
・退職手当基金
・旧伝染病隔離病舎退職手当基金
・ふるさと市町村圏基金
・介護保険介護給付費準備基金
上記の基金に関しては、平成17年4月1日のペイオフ全面解禁にともない、安全で確実な、かつ有利な方法で管理し、効率的な運用をしています。
●今後の方針と施策
各種基金に属する現金は、引き続き安全で確実な、かつ有利な方法により管理し、効率的な運用に努めます。
8 介護保険法及び介護保険法施行法の規定に基づく事務に関連して広域連合及び関係市町村が行う事務に関すること
●経 緯
諏訪地域の介護保険については、諏訪地域介護保険制度研究部会の検討を経て、制度当初市町村が保険者としてスタートしました。
平成11年に介護認定審査事務を諏訪広域行政組合で開始し、平成12年7月に諏訪広域連合に移行した以降も、介護認定審査会とそれに付随する事務を行ってきました。
平成15年度からは広域連合が保険者となり、主体的な事業運営を進め、関係市町村は窓口業務、介護認定調査、保険料の徴収事務などを行い、広域連合との責任を分担することで運営事務を進めています。
この間、国では介護保険制度改革を行い、介護予防に重点を置いた新予防給付や予防重視型システムの確立をめざす抜本的な制度見直しを行いました。
平成18年度からこの介護予防に重点を置くために、広域圏内に9つの日常生活圏域を設け、それぞれに地域包括支援センターを設置し、高齢者が安心して暮らし続けるための新たなサービスが始まりました。
●現状と課題
平成15年度から広域連合が保険者となり、関係市町村との連携を密にしながら介護保険の事業運営を行っています。
平成18年度から新たに地域支援事業が創設され、広域連合が事業主体となり、実施する関係市町村は、日常生活圏域を設定し、一人暮らしや認知症の高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるための新たなサービスを提供していく必要があります。
広域連合は、今後迎える超高齢社会、いわゆる団塊の世代が高齢期に到達する平成26年度を見据えた、圏域における望ましい介護環境を整備していくことが必要となります。
課題として、この事業は新たな負担と割合が新設され、事業の進捗によっては、事業内容や負担について関係市町村と協議をしていくことが必要となります。
また、大規模な介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の整備が難しくなるなかで、入所希望者に対しては、今後、小規模多機能型施設*2や複合サービスがある施設のサービスを、どのように有機的に活用するかなどを検討することが必要です。
●今後の方針と施策
広域連合及び関係市町村は、今後も介護保険制度の見直しに係わるサービスの利用や介護保険事務において、住民の利便性が低下しないよう、広域連合と関係市町村が連携し、関係市町村の窓口で行える体制確保に努めます。
特に介護保険制度見直しでは、地域に密着した新しいサービスの定着に努めます。
諏訪圏域の今後の状況を見据え、介護保険事業計画に基づき、介護保険サービスや基盤整備を図りながら、健全な事業運営に努めます。
9 障害程度区分審査会の設置及び運営に関連して広域連合及び関係市町村が行う事務に関すること
●経 緯
平成17年10月に成立した障害者自立支援法では、障害があっても、自立し、安心して暮らすことのできる地域社会の実現を図るため、障害福祉サービスを必要に応じて利用できるよう、市町村は自立支援給付などを総合的、計画的に行うことになりました。
この制度では、障害福祉サービスの必要性を明らかにするため、障害の程度に応じた区分の設定のために、身体・知的・精神の各障害の有識者からなる審査会で障害程度区分を審査判定することになりました。
諏訪圏域では、審査委員の確保や効果的、効率的な審査会の運営などを理由として関係市町村が個々に審査会を設置するのではなく、諏訪広域連合に、平成18年4月から障害程度区分審査会を設置しました。
●現状と課題
障害程度区分審査会は、関係市町村が行う調査の結果と医師の意見書に基づき審査判定を行いますが、3つの障害に精通する保健、医療、福祉分野の有識者により、公平、公正に審査判定がなされるよう努めています。
●今後の方針と施策
今後も関係市町村と連携し、審査会における審査判定が一層的確になるよう調査内容の精度を高めるとともに、障害程度区分のより適正な審査判定をめざすことにより、適切な障害福祉サービスの利用を実現し、もって障害者自立支援の推進に努めます。
10 消防に関すること(消防団及び消防水利施設に関する事務を除く。)
●経 緯
消防は、住民に最も密着した防災機関として、災害から住民の生命、身体及び財産を守るため一層の安全確保に努めています。近年ますます複雑多様化する災害に対応するため、諏訪圏域の広域化に向け協議を重ね、平成11年4月1日から岡谷市、諏訪市、下諏訪町、諏訪南行政事務組合(茅野市、富士見町、原村)の2市1町1組合の消防業務を諏訪広域行政組合で共同処理することになり、諏訪広域消防本部を設置し、6消防署、2分署、1支署、1分遣所、職員数242名で発足いたしました。平成12年7月、諏訪広域連合発足にともない、広域連合の事務となっています。また、広域連合の発足と同時に、知事の権限に属する事務の移譲が行われています。
平成16年3月に諏訪消防署大手分署が廃止となり、平成18年4月1日現在、6消防署、1分署、1支署、1分遣所の構成となっています。
●現状と課題
近年の社会経済の急速な発展にともない、建築物の高層化、高速交通網の発達、また高齢化などによる災害弱者の増加など、災害の態様は複雑多様化、大規模化の傾向を強めてきています。
平成18年7月の豪雨災害においては、近年にない大規模な自然災害となり、これを教訓として、各消防署の連携や出動体制のさらなる強化が必要となっています。
平成14年4月には、諏訪地域が東海地震の地震防災対策強化地域の指定を受け、対象となる事業所などにおいては地震防災応急計画を作成し、日頃からの防災意識の高揚を図るなど万全な備えが求められています。
予防業務については、平成13年の東京都新宿区雑居ビル火災を機に、消防法などの改正が行われ安全対策が強化されていますが、違反是正の体制強化と係員の専門性が課題となっています。また、全国的な高齢社会の進展と共に、住宅火災による死傷者が増加しており住宅防火対策が求められています。
救急業務については、急病を主に件数は年々増加する一途で、住民ニーズへの的確な対応と救命率向上が求められています。また、救助業務については、交通事故をはじめ複雑多様化する災害への対応力のさらなる強化が必要となっています。
電波法関係審査基準の改正により、消防救急無線のデジタル化整備と指令業務の共同運用が課題となるなかで、平成18年6月に消防組織法の改正にともなう、市町村消防の広域化に関する基本指針が示されたことにより、今後、併せて検討することが必要となっています。
●今後の方針と施策
住民の
生命、身体及び財産を各種災害から守
るため、関係機関と連携を図り安心と安全の地域づくりを推進します。また、地震災害や大規模災害に迅速確実に対応するため、合同訓練などで各消防署の連携と出動体制を強化します。
予防業務については、違反是正にともなう立入検査体制の強化と住宅防火対策として住宅用防災機器等の普及啓発を行い、さらに火災予防を推進します。
救急業務については、救急隊員や救急救命士の研修体制の充実や医療機関との連携により、救命率向上と高度化を図ります。また、高度な救助技術の習得と特殊装備の充実など救助体制を強化します。
また「市町村消防広域化及び消防救急無線のデジタル化と指令業務の共同運用」については、県及び関係市町村と検討を進めます。
11 ごみ処理広域計画の策定及び同計画に基づく事業の実施に関連して広域連合及び関係市町村が行う事務に関すること
●経 緯
ごみ処理にかかるダイオキシン類対策などの高度な環境保全対策が求められるなか、適正なごみ処理を推進するにあたり、平成10年8月に「諏訪広域行政圏ごみ処理広域化計画」を策定しました。
この計画は、圏域内のごみ焼却施設を集約していくための基本的な方向を示したものです。
その後、容器包装リサイクル法(平成7年)、家電リサイクル法(平成10年)、循環型社会形成推進基本法(平成12年)などが公布されたことを受け、諏訪圏域における循環型社会の構築に向け、長野県の広域化計画に基づき平成14年3月に「一般廃棄物(ごみ)処理基本計画」及び「廃棄物循環型社会基盤施設整備事業計画」を策定しました。
また、平成17年度には廃棄物処理関係施設の整備に関する国の制度改正により補助金から交付金制度に改められました。これにより、施設の設置基準などの見直しがされ、資源循環やエネルギー循環を一層進めるとともに環境負荷低減、地域内での合意形成への配慮などが強く求められることとなりました。
●現状と課題
関係市町村では、それぞれ、ごみの減量化やリサイクルの推進に取り組んでいますが、より効率的に推進するためには、ごみの分別収集方法の統一や家庭ごみの有料化、拠点の整備などについて広域的に取り組む必要があります。
圏域内のごみ焼却は、現在、岡谷市清掃工場、諏訪市清掃センター、諏訪南清掃センター、下諏訪町清掃センターの4施設で処理を行っており、このうち諏訪南清掃センターは、茅野市、富士見町及び原村で構成する諏訪南行政事務組合が運営しています。
ごみ処理施設の整備については、「一般廃棄物(ごみ)処理基本計画」に基づき、第3次広域化計画でごみ処理施設一本化に向け検討してきましたが、いずれの市町村にも300t級の適地選定は困難であること、アクセス道路の混雑解消が避けられないこと、また岡谷市・諏訪市の焼却施設の老朽化や諏訪南行政事務組合における最終処分場(焼却灰溶融固化施設)の建設など緊要な課題があり、施設の一本化については見直しをすることとなりました。
今後は、諏訪南行政事務組合の諏訪南清掃センターと、岡谷市・諏訪市・下諏訪町の湖周を対象とする施設の二本化で進めていくことになり、「中間処理施設計画」及び県に提出した「長野県ごみ処理広域化計画」を見直す必要があります。
なお、リサイクルプラザについては、効率性や経済性を考慮しながら、広域的に整備することを視野に入れて検討する必要があります。
●今後の方針と施策
広域連合は県、関係市町村及び一部事務組合と協議しながら、必要に応じて「長野県ごみ処理広域化計画」及び広域の「一般廃棄物(ごみ)処理基本計画」の見直しを行います。
循環型社会の構築をめざして、3R「リデュース(発生抑制)・リユース(再使用)・リサイクル(再生利用)」を推進し、関係市町村及び一部事務組合と連携を図りながらごみの減量化に向け、連絡調整を行います。
12 関係市町村職員の人事交流の調整、共同研修及び人材育成に関する事務に関連して広域連合及び関係市町村が行う事務に関すること
●経 緯
地方自治体における行政需要は増大し、圏域住民の要望も高度・多様化している今日、さらに地方分権改革により国、県、市町村の関係が上下・主従から対等・協力
とされたことにより、自主自立の事業執行のための政策立案能力・行政遂行能力など、地方自治体職員には従来以上の資質が求められています。
こうしたなか、限られた財源を有効かつ効率的に活用し、住民の求める行政施策に的確に対応するため、圏域全体で職員の能力開発や資質向上に取り組んでいます。
●現状と課題
関係市町村では、職員の能力開発と資質向上のため、多様な研修機会や方法により人材育成に努めています。
共同研修は、個々の市町村では対応が困難な高度で専門的な研修や、広域連合が実施する方がより実効が上がる研修など、関係市町村の研修との調整を行い、平成13年度から実施していますが、関係市町村の要望により年々その数が増加してきています。
また、職員の人事交流については、近隣市町村間で一部実施していますが、さらに市町村相互の派遣研修を検討することが求められています。
●今後の方針と施策
共同研修は、関係市町村の研修の状況とニーズの変化を随時把握し、時代に即した研修を取捨選択しながら実施していきます。
また、人事交流は職員の能力開発と資質向上に寄与するとともに、関係市町村の相互理解につながることから、さらなる推進を検討します。
13 関係市町村の電算処理の調整に関する事務に関連して広域連合及び関係市町村が行う事務に関すること
●経 緯
昭和61年度に第三セクターの(株)諏訪広域総合情報センタが設立され、行政事務の共同処理を開始してから20年余りが経過しました。
平成7年度からは、図書館情報ネットワークシステムがスタートし、自治体間相互での蔵書の貸借が可能となり、平成12年7月よりインターネットを利用した、総合目録の検索や資料の予約ができるようになりました。
また、国の情報化施策の推進により、平成14年8月に住民基本台帳ネットワークがスタートしたほか、国・県・市町村を結ぶ総合行政情報ネットワーク(LGWAN)が構築され、これを利用した各種行政事務処理システムが構築されようとしており、行政の情報化がますます進んでいます。
●現状と課題
情報センタのシステム更改を平成20年度に行うこととなり、電子申請など今後連携することが予想されるシステムとの対応も含めて、更改を進めています。
また、情報センタで共同処理を行っている行政事務のほかに、圏域市町村が個別に導入している行政情報システムについても、共同利用・共同処理を行うことにより、よりよい情報サービスの提供やコスト縮減を図ることができないか、検討する必要があります。
●今後の方針と施策
情報センタのシステム更改について、システムの見直しや共同化による導入、管理コストの縮減を図り、個人情報保護意識の高まりに対応できる、より安全なセキュリティ対策を施し、国が進める情報化政策への対応及び今後見込まれる県等の情報化施策との連携を踏まえた、信頼性の高い安定したシステムを構築します。
また、情報通信技術(ICT)の進化にともなう、社会環境の大きな変化にも対応できる情報システム及び地域情報化の一層の推進に努めます。
14 広域的課題の調査研究に関すること
●経 緯
広域連合の設立以来、住民サービスの向上、個性ある地域づくりを進めるため、諏訪広域連合規約第4条第14号に掲げられている広域的課題の調査研究を行っています。
また、平成17年からは、圏域市町村の合併協議の経過と結果を踏まえ、今後の諏訪地域における広域行政のあり方について一定の方向性を研究・整理することを目的として「諏訪広域活力創生研究事業」を行い、圏域市町村が抱える広域的課題の調査研究を行っています。
●現状と課題
住民サービスの向上、個性ある地域づくりを進めるため、広域的な課題についての調査研究に継続的に取り組み、さらに魅力ある一体的な地域づくりを進める必要があります。また、多様化、高度化する住民ニーズに対応するため、今後ますます増加すると考えられる新たな広域的課題についても、積極的に調査研究を行う必要があります。
さらに、将来的な広域行政や広域連合のあり方も含めて検討する必要があります。
●今後の方針と施策
規約第4条第14号に掲げられている下記の広域的課題について、引き続き調査研究を進めます。
(
1)地方分権に関すること。
(
2)地域情報化の推進に関すること。
(
3)観光振興に関すること。
(
4)し尿処理施設の設置、管理及び運営に関すること。
(
5)火葬場の設置、管理及び運営に関すること。
(
6)ごみ処理施設の設置、管理及び運営に関すること。
(
7)諏訪湖浄化の推進に関すること。
(8)その他広域にわたる重要な課題で広域連合長が必要と認める事項に関すること。
また、諏訪広域活力創生研究事業において、さらに協議が必要となっているものについては、引き続き課題解決に向けて調査研究を進めます。
15 広域計画の期間及び改定に関すること
広域計画の期間については、
平成19年度から平成23年度までの5年間とします。その後5年毎に、計画期間満了前に見直しを行うものとします。
ただし、社会経済情勢による状況の急激な変化や、事務の追加など変更の必要が生じた場合は、議会の議決を経て改定することができることとします。